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不安 ふあん anxiety

翻訳|anxiety

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

不安
ふあん
anxiety

恐ろしいものに脅かされているという感情。現実に恐れる対象がはっきりしている恐れとは異なり,その原因は本人にも明瞭でない。また,不快な刺激に基づいて獲得され,回避反応の学習にあずかる2次的動因となる。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉の解説

ふ‐あん【不安】

[名・形動]気がかりで落ち着かないこと。心配なこと。また、そのさま。「―を抱く」「―に襲われる」「―な毎日」「夜道は―だ」
[派生]ふあんがる[動ラ五]ふあんげ[形動]

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世界大百科事典 第2版の解説

ふあん【不安 anxiety】

特定の対象をもたない恐れの気分。危険の対象が目前に顕在化していてこれにひるんでいる感情を恐怖と呼ぶのに対し,不安は自分に襲いかかるものをこれといって名指すことのできないまま自己の存在が脅かされているのを感じる際の情動である。例えば,突然凶悪犯人に刃物を突きつけられたとする。犯人の形相や鋭利な刃物を前にしてまずは恐怖に襲われる。やがてそのままの状態が続けば,その危機の感情の中に,この先自分がどうなるのかわからないことに対する不安がめばえてくる。

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大辞林 第三版の解説

ふあん【不安】

( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
気がかりなこと。心配なこと。これから起こる事態に対する恐れから、気持ちが落ち着かないこと。また、そのさま。 「 -がつのる」 「 -な一夜を過ごす」
〘哲〙 〔ドイツ Angst〕 人間存在の根底にある虚無からくる危機的気分。原因や対象がわからない点で恐れと異なる。実存主義など現代哲学の主要概念。
〘心〙 漠とした恐れの感情。動悸どうき・発汗などの身体的徴候を伴うことが多い。
[派生] -が・る ( 動五[四] ) -げ ( 形動 )

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

不安
ふあん
anxiety英語
Angstドイツ語
angoisseフランス語

特定の対象に面してひるんでいる感情が恐怖とよばれるのに対して、対象のない無に脅かされてひるんでいる感情が不安である。たとえば、刃物を突きつけられて小部屋に閉じ込められたとする。鋭く光る刃とそれを手にした凶悪犯の険しい面相を前に、心は恐怖に包まれる。しかし、そのまま時間が経過していくと、その恐怖はやがて不安に変わっていく。何事も起こらないという無や、この先何が起こるかわからないという無が、不安を誘うのである。
 無への恐れが不安であるという場合のこの無は、何もない皆無や空無の状態ではなく、何か特定の存在に対してそうではない存在の状態であり、欠如無として存在している無である。たとえば、ポケットにある100円を使ってしまえばもはや100円はない。この無は、ポケットに100円がないという状態で存在している無であって、ポケットも何もいっさいが皆無だということではない。100円の存在が安心を与えるとすれば、100円の欠如無という存在が不安をよぶのである。
 われわれは一般には、自己の欲求や期待の実現が阻まれそうなとき、自分の体面が汚される恐れを感じるとき、つまり自己保存の傾向が脅かされる予感を抱く際に、不安を感じる。恒常的、同一的な自己の存続が危ぶまれるこのような状況は、いうまでもなく世界が不断に時間を基軸として生成していることに起因する。ことに、いまだない未来という無がわれわれの前に厳然と存在していること、そして究極のところ自己の無化を意味する死という無がもっとも未来的なものとして存在していることが、人間に不安をもたらすもっとも決定的な要因である。キルケゴールやハイデッガーは、ことさらにこの不安の気分を人間の根本心情として取り上げて人間存在の分析を行い、時間的性格や歴史的性格を帯びている人間の存在の実相を鋭く摘出した。[柏原啓一]

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世界大百科事典内の不安の言及

【実存主義】より

…人間が自由であり脱自的であるとしても,そのような仕方で存在している事実そのものは,人間の自由裁量によるわけではなく,いわばゆえなくして自由であるにすぎない。自己に関心をもたざるをえない人間が,自己のうちに存在の根拠をもたないこのことに気づくとき,不安や無意味感や挫折に襲われるが,そうした実存の根源的無の状況を介在させてはじめて脱自的な主体性確立の道が意味をもってくる。この極限状況からの超克を,超越者や神とのかかわりに求めるか,無意味さそのものの肯定に求めるか,自由のもつ創造力に求めるかによって,実存主義にもさまざまな立場が生じてくることになる。…

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