日本大百科全書(ニッポニカ) 「レシェートニコフ」の意味・わかりやすい解説
レシェートニコフ
れしぇーとにこふ
Фёдор Михайлович Решетников/Fyodor Mihaylovich Reshetnikov
(1841―1871)
ロシアの作家。郵便局員の家に生まれる。早くに親を失い、ペルミでおじに育てられた。1859年同地の学校を出て、郡裁判所、税務監督局で働き、63年ペテルブルグの下級官吏になった。61年文筆活動に入り、64年には代表作の中編『ポドリープノエ村の人々』で、零落してなかばプロレタリアート化した民衆の生活を活写した。ほかにウラルの鉱山労働者の労苦、飢え、貪困を描いた『鉱山労働者』(1866)、労働者の怒りと抗議の激化を主題とする『グルーモフ一家』(1866~67)、労働者の自意識の目覚めを扱った『どこがましか』(1868)の長編三部作が重要。
[島田 陽]