鉱山労働者(読み)こうざんろうどうしゃ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金属や非金属鉱山、石炭や石油などの燃料鉱物の採掘や選鉱・製錬に従事する労働者。『労働統計要覧』によれば、2007年(平成19)における鉱業の就業者数は4万人である。鉱山労働者は、坑内労働に従事する坑内労働者と、坑外労働に従事する坑外労働者とに大きく分かれる。石炭鉱業においてはその8割が坑内労働者であるが、金属鉱業では5~6割程度となる。非金属鉱山ではそのほとんどが坑外労働者である。坑内労働者はさらに、掘進係、採鉱係、運搬係、支柱係、巻揚係、電気係、雑役係などに分かれる。坑内労働者は、地下労働という特殊性のために、労働基準法、厚生年金保険法などで、一般の坑外労働者と違った保護・規制措置がとられている。たとえば労働基準法では、女子および18歳未満の男子の就業を禁止している(女子の坑内労働については2007年の労働基準法改正により、大幅に緩和された)。また時間外労働についても一定時間の規制がある。厚生年金保険法では、一般労働者が20年間被保険者で、また63歳に達したとき年金が支給されるのに対し、坑内労働者は15年、58歳で受給できる。鉱山労働者は、石炭鉱業では、北海道・九州などの産炭地域に限定して、集団的に分布していたが、九州の炭鉱はすべて閉山となり、その他の地域でも閉山が相次ぎ、石炭工業の鉱山労働者は激減している。金属鉱業・非金属鉱業においては全国的に分布しているが、金属鉱業においては山間の僻地(へきち)が多い。一般に鉱山労働は地元労働力に大きく依存しており、農業との兼業もかなり含まれている。

 2007年における鉱山労働者1人当りの平均現金給与額(年間)は、常用従業者が372万5000円(1997年では460万5000円)である。ただ鉱山労働者は、立地条件や保安・交替制などの産業の特殊性から、大部分の労働者は事業所周辺の社宅に居住しており、他産業の労働者に比べて福利厚生面の給付が厚くなっている。

[黒岩俊郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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