レフラー症候群(読み)レフラーしょうこうぐん(その他表記)Löffler's syndrome

改訂新版 世界大百科事典 「レフラー症候群」の意味・わかりやすい解説

レフラー症候群 (レフラーしょうこうぐん)
Löffler's syndrome

胸部X線写真上,肺に一過性の浸潤陰影があり,末梢血の好酸球増加を示し,臨床症状はほとんどみられないか,あっても軽度で,2週間から1ヵ月以内に自然治癒するものをいう。レフレル症候群ともいう。1932年スイスの内科医W.レフラーによって記載されたものであるが,現在ではPIE症候群のなかで単純性肺好酸球増加症として分類されており,アレルギー性機序によって発症すると考えられている。肺胞におけるI型アレルギーによると考えられ,アレルゲンとして寄生虫,真菌,細菌,薬剤,花粉などがあげられている。症状は空咳が最も多いが,程度は軽い。痰のあるものでは痰中に好酸球を検出する。ほかに全身倦怠感,頭痛,搔痒(そうよう)感,くしゃみ,上気道の分泌亢進,胸痛,血管神経性浮腫,口角炎などもみられることがある。発熱はないことが多いが,あっても軽い。治療はとくに必要ないが,もし症状が強ければ副腎皮質ホルモン剤を使用することもある。アレルゲンが薬剤の場合は薬剤の中止,寄生虫の場合は駆虫剤など原因の除去が必要。予後は一般によい。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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