日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロシア国立交響楽団」の意味・わかりやすい解説
ロシア国立交響楽団
ろしあこくりつこうきょうがくだん
Русский государственный симфонический оркестр/Russkiy Gosudarstvennïy Simfonicheskiy Orkestr
ロシアを代表するオーケストラの一つ。ロシア国立管弦楽団ともいう。モスクワ音楽院の卒業生を中心に1936年設立。ソ連時代はソビエト国立交響楽団Государственный Симфонический Оркестр Союза ССР/Gosudarstvennïy Simfonicheskiy Orkestr Soyuza SSRと称した。アレクサンドル・ガウクAlexander Gauk(1893―1963)とエーリヒ・クライバーの指揮で同年10月最初の演奏会を行い、以後1941年までガウク、1941~1945年はナターン・ラフリンNathan Rakhlin(1905―1979)、1946~1965年はコンスタンティン・イワーノフKonstantin Ivanov(1907―1984)、以後は1965~2000年エフゲニ・スベトラーノフ、2000~2002年はワシリー・シナイスキーVassiliy Sinaisky(1947― )、2002~2011年はマルク・ゴレンステインMark Gorenstein(1946― )が常任指揮者と音楽監督を務めた。2011年にゴレンステインが退任後は、ウラジーミル・ユロフスキーVladimir Jurowski(1972― )が常任指揮者と音楽監督に就任した。力強い響きとソ連時代の現代音楽の積極的な演奏に特色があり、ショスタコビチの交響曲第8番(1943作曲・初演。以下同じ)、第11番(1957)、第12番(1961)、ピアノ協奏曲第2番(1957)などを初演している。1964年(昭和39)初来日して以来、しばしば日本を訪れている。
[美山良夫]