日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロダーリ」の意味・わかりやすい解説
ロダーリ
ろだーり
Gianni Rodari
(1920―1980)
現代イタリア児童文学を代表する作家。貧しいパン屋の息子として生まれ、小学校の教師などをしながら児童文学に関心をもち、戦後はジャーナリストとして活躍しながら児童文学の創作を始めた。初期の代表作『チポリーノの冒険』(1951)は、野菜や果物を主たる登場人物とする空想物語だが、そこには、ジャーナリストとしての目と、強い階級的視点がみられる。一方、詩人でもあるロダーリは、子供のための詩、ことにナンセンス詩も数多くつくっている。『まちがいだらけの本』(1964)はそうした詩集の一冊である。エッセイ集『ファンタジーの文法』もある。
[安藤美紀夫・山脇あさ子]
『杉浦明平訳『チポリーノの冒険』(岩波少年文庫)』