日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロドー」の意味・わかりやすい解説
ロドー
ろどー
José Enrique Rodó
(1871―1917)
ウルグアイの思想家。父親の死により独学し指導的知識人となる。1895年、『文学・社会科学』誌を創刊、また、1900年には国立図書館長に就任した。この年発表の、理想を追うアリエルと本能的に生きるカリバンという2人の象徴的人物を通してラテンアメリカ精神を究明した評論『アリエル』は、当時のスペイン語圏の青年たちの福音(ふくいん)の書となる。近代主義(モデルニスモ)散文の巨匠であり、ルベン・ダリオが文学で果たした役割を哲学、思想の面で果たし、前述の雑誌に『プロスペロの望楼』(1913)、『アメリカの人々』(1920)などの評論を掲載して理想を説き、美や人間性、哲学、文学、倫理などを論じた。
[安藤哲行 2015年11月17日]