ロベルツス(その他表記)Robertus Meludensis; Robert of Melun

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロベルツス」の意味・わかりやすい解説

ロベルツス[ムラン]
Robertus Meludensis; Robert of Melun

[生]?
[没]1167.2.27. ヘレフォード
12世紀のスコラ神学者。11世紀末イギリスに生まれ,オックスフォード,フランスのパリで学び,1137年頃ピエール・アベラールのあとを継いでパリ大学哲学教授となった。1142年ムランの学校に移り神学を教授。1148年ランスの教会会議三位一体論の異端説,三神論を唱えるジルベール・ド・ラ・ポレと論争。その思想はサン・ビクトルのフゴやアベラールを継ぎ,彼らの弁証法的方法を結合して伝統と思弁の調和をみせている。1160年頃ヘンリー2世によってイギリスに召還され,オックスフォードの主席司祭,次いでヘレフォードの司教となった。主著『聖なる書についての問題集』Quaestiones de divina,『パウロ書簡に関する問題集』Quaestiones de epistolis Pauli,『命題集』Sententiae。(→スコラ哲学

ロベルツス[モレーム]
Robertus; Robert of Molesmes

[生]1027頃.トロア
[没]1110. モレーム
フランスの貴族出身のベネディクト会士。聖人。ムティエ・ラ・セル修道院長をつとめ,1075年隠修士たちの懇望を入れてモレーム大修道院を創立。繁栄するにつれて理想の厳格な生活がくずれ,98年シトー修道院を開いてシトー会創立者となったが,1年後モレームに帰った。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 三位一体論

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android