わいわい天王(読み)ワイワイテンノウ

デジタル大辞泉 「わいわい天王」の意味・読み・例文・類語

わいわい‐てんのう〔‐テンワウ〕【わいわい天王】

江戸時代羽織はかまに粗末な両刀をさし、天狗てんぐの面をつけ、「わいわい天王騒ぐがおすき」などと言って、牛頭ごず天王のお札を扇であおいでまき散らし、家々を回って金銭を乞うた者。

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精選版 日本国語大辞典 「わいわい天王」の意味・読み・例文・類語

わいわい‐てんのう‥テンワウ【わいわい天王】

  1. 〘 名詞 〙 大道芸一種。江戸時代、猿田彦仮面をつけ、古い黒紋付の羽織と袴を着、粗末な両刀をさし、「わいわい天王騒ぐがおすき」などといって、牛頭天王紙牌をまき散らし、戸毎に銭を乞い歩いた者。わいわい。
    1. わいわい天王〈盲文画話〉
      わいわい天王〈盲文画話〉
    2. [初出の実例]「己わいわい天王(テンワウ)と云ふ身で、わいわいと笑ってもくれ」(出典黄表紙・当世大通仏買帳(1781))

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世界大百科事典(旧版)内のわいわい天王の言及

【願人坊主】より

…1842年(天保13)の町奉行所への書上には〈願人と唱候者,橋本町,芝新網町,下谷山崎町,四谷天竜寺門前に住居いたし,判じ物の札を配り,又は群れを成,歌を唄ひ,町々を踊歩行き,或は裸にて町屋見世先に立,銭を乞〉とあり,乞食坊主の一種でもあった。その所行により,すたすた坊主,わいわい天王,半田行人(はんだぎようにん),金毘羅(こんぴら)行人などとも呼ばれ,その演じる芸能は願人踊,阿呆陀羅経,チョボクレ,チョンガレなど多種で,後にかっぽれ,浪花節なども派生した。民俗芸能として関東の万作(まんさく)踊,富山県小矢部(おやべ)市に願念坊踊,秋田県南秋田郡八郎潟町の願人踊が残り,歌舞伎舞踊の長唄《まかしょ》や世話物狂言の点景人物に面影を残す。…

※「わいわい天王」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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