日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワルナスビ」の意味・わかりやすい解説
ワルナスビ
わるなすび / 悪茄子
[学] Solanum carolinense L.
ナス科(APG分類:ナス科)の多年草。根茎は地中を横にはう。茎は高さ30~70センチメートル、黄褐色の鋭い刺(とげ)と星状毛がある。葉は互生し、羽状に裂ける。6~10月、節間に花序を出し、白色または淡紫色のナスに似た5弁花を下向きに開く。果実は球形で、橙黄(とうこう)色に熟す。北アメリカ原産の帰化植物で、耕作地や荒れ地に生える。名は、始末の悪い雑草の意味でつけられた。類似のトゲナスは南アメリカ原産。茎の刺は著しく、葉は羽状に深く裂け、花は淡紫色、果実は黄赤色に熟す。また、キンギンナスビS. aculeatissimum Jacq.は南アメリカ原産。花は白色、果実は若いときは白色で緑色の筋(すじ)があり、のちに朱赤色に熟す。
[高橋秀男 2021年7月16日]