アップストリーム(その他表記)up-stream

デジタル大辞泉 「アップストリーム」の意味・読み・例文・類語

アップ‐ストリーム(up-stream)

核燃料の準備工程。鉱石採掘から原子炉で燃やすまでの段階。⇔ダウンストリーム
通信回線における上流方向。またはその伝送路のこと。インターネットなどのコンピューターネットワークの場合、通信事業者の基地局やバックボーンを、宇宙通信の場合は通信衛星を上流とする。⇔ダウンストリーム
米国国家安全保障局(NSA)が行っているとされる、インターネットの基幹通信網の傍受システムの通称。世界各国で送受信されるデータ通信の約8割が集中する利点を活かし、主に北米西海岸・東海岸の海底に敷設された光ファイバーケーブルから直接情報を収集・分析する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アップストリーム」の意味・わかりやすい解説

アップストリーム
up-stream

上流部門ともいう。石油産業を川の流れにたとえたことに由来する。石油産業の産油輸送精製,販売の4段階のうち,産油部門 (探鉱,開発,生産) をいう。探鉱,開発に巨額の資金を必要とし,経営上のリスクも高いが,成功すれば利潤も大きく,今日世界的石油企業となっている会社の中には上流部門で成功したのち一貫操業会社に成長した企業が多い。しかし 1970年代に産油国による上流部門への資本参加,国有化が進んだため,従来の一貫操業による国際石油資本は支配力を鈍化させた。また,開発途上国における石油探鉱,開発の目的も利潤追求より供給力拡大,供給確保に重点が移されてきている。 (→ダウンストリーム )

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世界大百科事典(旧版)内のアップストリームの言及

【石油産業】より

…原油の探鉱・開発を行い,また採掘,輸送,精製を行って,消費者に石油製品を供給する産業。とくに,探鉱・開発,採掘,輸送を上流部門(アップ・ストリーム),精製を下流部門(ダウン・ストリーム)ということがある。
【国際石油産業の沿革】

[起源と展開]
 世界の石油産業の起源は,1859年にアメリカのペンシルベニア州タイタスビルTitusvilleで,石油会社の技師ドレークEdwin Laurentine Drake(1819‐80)が綱式さく井法による石油の生産に成功したことにさかのぼる。…

【核燃料サイクル】より

…この性質に着目すれば,使用済燃料を安全に貯蔵しておくことによってその放射能を自然に下げることができる。燃料を原子炉で用いたのちの核燃料サイクルをダウン・ストリームといい,これに対し原子炉へ入れる前の核燃料サイクル部分をアップ・ストリームということがある。ダウン・ストリームでは,まずその放射能を下げるために,使用済燃料の冷却・貯蔵過程が必要である。…

※「アップストリーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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