日本大百科全書(ニッポニカ) 「イサベル(2世)」の意味・わかりやすい解説
イサベル(2世)
いさべる
Isabel Ⅱ
(1830―1904)
スペイン女王(在位1833~68)。フェルナンド7世の子。2歳で母マリア・クリスティナを摂政として即位したが、叔父ドン・カルロスが王位を要求したため内乱となり、カルリスタ戦争が始まった。1843年、政治的混乱を収拾すべく摂政を廃し、幼くして親政を開始した。しかし、カルリスタの蜂起(ほうき)、保守的な穏健派政権に対する進歩派のクーデターが繰り返され、政治不安が続いた。穏健派に支えられたイサベル体制は徐々に支持基盤を狭め、1868年九月革命で倒れた。革命後、亡命先のパリから復位工作を続けたが、その専横的な政治干渉、保守性のために支持されず、子アルフォンソに王位を譲渡した。王政復古(1874)後も帰国を許されないままに、1904年4月9日パリで死去。
[中塚次郎]
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