イタボガキ(英語表記)Ostrea denselamellosa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イタボガキ
Ostrea denselamellosa

軟体動物門二枚貝綱イタボガキ科。殻長 13cm,殻高 12cmに達する。着生生活のため殻の形は一定しないが,おおむね丸みのある四角形で,右殻は平たく,左殻は多少ふくらみ,他物に付着する。殻表は檜皮葺 (ひわだぶき) 状のあらい殻皮でおおわれ,多くの放射肋がある。殻の内面は白色。卵胎生雌雄同体。5~8月に産卵するが,卵はそのまま母体内で成育し,28日前後で殻の大きさ 0.4mmほどの幼生になり,付着生活に入る。なお産卵直後の卵1個の直径は 0.1mmもあり,マガキの卵2個分の大きさに相当するほど大型である。本州から九州,朝鮮半島,中国沿岸に分布し,内湾の水深 10~30mの砂泥底の岩礫に付着する。食用。近縁種ヨーロッパガキ O. edulisの殻の外形は本種によく似ている。

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栄養・生化学辞典の解説

イタボガキ

 [Ostrea denselamellosa].ウグイスガイ目イタボガキ科の食用の貝で12cmほどになる.

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イタボガキ
いたぼがき / 板甫牡蠣
Densely lamellated oyster
[学]Ostrea denselamellosa

軟体動物門二枚貝綱イタボガキ科の二枚貝。本州、四国、九州および朝鮮半島、中国沿岸に分布する。内湾の水深10~30メートルの海底の岩礫(がんれき)に付着したり、互いに接して団塊状になって生活する。殻長、殻高ともに13センチメートルぐらいになり円板状で、右殻は平たく、殻表は成長線と一致する檜皮(ひわだ)状の殻皮で覆われ、多くの放射条がある。左殻は殻頂部で他物に付着し、やや深く粗い成長輪と不規則な放射肋(ろく)がある。また殻頂の左右に耳状の突起が出て、殻内は白く筋肉痕(こん)は赤褐色。胎生種で、同一個体の性が交代する。産卵期は5~8月で、成育の好適塩分は27~34‰である。食用となり、一時養殖が試みられたが、肉質が日本人に向かず継続されなかった。[奥谷喬司]

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世界大百科事典内のイタボガキの言及

【カキ(牡蠣)】より

…岩礁に左殻で付着するイタボガキ科の二枚貝の総称であるが,とくに食用とされる重要種マガキを指すことも多い。カキ類は付着生活のため形は一定せず,軟体の足は発達しない。…

※「イタボガキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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