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イラク情勢 いらくじょうせい

知恵蔵の解説

イラク情勢

2003年3月下旬の米英軍の攻撃で始まったイラク戦争の第1段階は、同年4月上旬の首都バグダッドの陥落を経て5月初めのブッシュ米大統領の大規模戦闘終結宣言(事実上の勝利宣言)で終了した。この段階までの米軍の損害は湾岸戦争の犠牲より少なく、ハイテク兵器を駆使した米英軍の完勝ともみえた。しかし、やがて抵抗運動が燃え上がり、イラクの治安が特にスンニ派の居住する中部地方では悪化。戦争は第2段階に入った。その後、潜伏していたフセイン元大統領が拘束されたが、抵抗運動が収まる気配はない。既に2600人以上の米兵が死亡している。またイラクの民間人の死者も4万人を超えている。湾岸戦争やアフガニスタンでの戦争とは異なり、開戦時に明確に武力の行使を容認する国連安保理決議が得られなかった。またイラクの大量破壊兵器の差し迫った脅威が開戦の理由とされたにもかかわらず、大量破壊兵器は発見されていない。こうした点から、この戦争の正当性を疑問視する見方が強い。また、米英軍が民間軍事会社(PMC)に現地で警備などに当たらせるなど、戦争の民営化とも呼べる現象が起こっている。こうした企業は57社あり、外国からの「民間人」の数は2万人を超えている。

(高橋和夫 放送大学助教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

イラク情勢

オバマ米大統領が昨年12月、イラク戦争の終結を宣言。開戦から9年近くを経て米軍は完全撤退した。その後、イラク政権内部でイスラム教シーア派とスンニ派の対立再燃、昨年12月に首都バグダッドで連続爆弾テロが発生し、60人以上が死亡。今月5日にはバグダッドや南部ナシリアで爆弾テロがあり、約70人が死亡した。宗派や民族の対立がふたたび深まり、治安悪化が懸念されている。

(2012-01-07 朝日新聞 夕刊 1総合)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

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