翻訳|interleave
デジタル信号処理において、符号列に混入した連続的なエラー(バーストエラー)を散発的なエラー(ランダムエラー)に変換する技術。通常用語としてインターリーブが使われるが、正確な用語はインターリービングinterleavingである。対応日本語は交錯法。デジタル記録で記録媒体に欠陥があったり、デジタル放送で伝送中に雑音が混入したりすると、デジタル信号の符号列にエラー(誤り)がおきる。エラーには、散発的なランダムエラーと連続的なバーストエラーがある。ランダムエラーは誤り訂正技術によって比較的容易に訂正できるが、バーストエラーはそのままでは訂正がむずかしい。インターリーブはバーストエラーをランダムエラーに変換し、誤り訂正を容易にする技術である。信号を記録したり送信したりする前に、インターリーバーinterleaverによって符号列の時間的順序や周波数配置をばらばらに組み替え(交錯させ)、再生や受信時にデインターリーバーdeinterleaverによって元の時間的順序や周波数配置に戻す。このような操作を行うことで、交錯状態の信号に生じたバーストエラーは、元に戻したときにはランダムエラーに変換され、その後の誤り訂正が容易になる。もちろん信号そのものには変化や劣化はいっさいない。
符号列の時間的順序を交錯させる方法を時間インターリーブ、符号列の周波数配置を交錯させる方法を周波数インターリーブとよぶ。
コンパクトディスク(CD)などのデジタルオーディオでは時間インターリーブが用いられ、記録媒体の欠陥によるバーストエラーをランダムエラーに変換して、その後の誤り訂正を容易にしている。
地上デジタル放送の誤り訂正方式では、時間インターリーブと周波数インターリーブが適用されるが、放送方式により適用方法が異なる。日本方式のISDB-Tは一つの放送チャンネルを多数のキャリア(搬送波)で送信するマルチキャリア方式を採用しているため、キャリアの周波数配置を交錯する周波数インターリーブが可能である。ISDB-T方式では、周波数インターリーブと時間インターリーブとを併用することで、二重のインターリーブが実行され、雑音障害にきわめて強いシステムが構築されている。ヨーロッパ方式のDVB-Tもマルチキャリア方式を採用しており、周波数インターリーブが適用されている。ただし時間インターリーブは適用されていない。アメリカ方式のATSCは、一つの放送チャンネルを単一のキャリアで送信するシングルキャリア方式を採用しているため、周波数インターリーブや時間インターリーブは適用されていない。
[吉川昭吉郎 2015年6月17日]
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