日本大百科全書(ニッポニカ) 「コンパクトディスク」の意味・わかりやすい解説
コンパクトディスク
こんぱくとでぃすく
compact disc
デジタルオーディオディスクの一つ。デジタル化した音声信号を円盤に記録したレコード。略してCDともいう。信号は、ディスク表面のピットとよばれる幅0.4マイクロメートル、長さ0.8~3マイクロメートル(信号によって変わる)、深さ0.1マイクロメートルの顕微鏡で見なければわからないような小さな凹凸として記録される。これをレーザー光によって読み出し、音声信号に復原する。なお、レーザー光の反射をよくするため、ピットの裏側にアルミの反射膜がコートされている。直径12センチメートルのディスクを使用して、片面のみではあるが最大74分の演奏が収録できる。
CDの特長は、従来のLPレコードに比べて、ダイナミックレンジ(音の大小の範囲)が広いこと、非接触のため何回使用してもディスクが劣化せず、音質・機能のうえで優れていることにある。また、傷やほこりに強く、小型で収納スペースが少なくてすみ、曲のランダムアクセスや早送り、逆転もできる。日本では1982年(昭和57)10月から世界に先駆けて発売された。より詳細な解説は「デジタルオーディオディスク」の項目を参照されたい。
[木村 敏・吉川昭吉郎]