インダストリアル・キャリア(英語表記)industrial carrier

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

インダストリアル・キャリア
industrial carrier

自家用輸送 (→運輸業 ) のうち,特に企業・産業が自己の商品や製品をみずから運送する場合,その運送部門や運送形態をいう。依頼主から独立した輸送業者であっても,特定の企業・産業の製品を専門に輸送する特定輸送業者 (コントラクト・キャリア) はこれに含まれる。たとえばユナイテッド・フルーツのバナナ専用船,自動車会社の自動車専用船,競走馬匹輸送専門業者など,特殊な技術を要する運送分野で発達している。日本では 1970年代前半から鉄道会社のスト対策も含めて,製造業が自企業内の運送部門として,あるいは系列の運送企業としてトラック部門を育てることが多かった。しかし,1990年前後にはドライバー不足が顕著となり,自家用トラックに比較して営業トラックが増加している。また 90年の物流2法の改正により,自社貨物と他社の貨物を積合せて運送することが可能となり,製造業の運送部門や物流子会社が運送市場に参入する素地が整った。 (→公共運送人 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android