日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウスノキ」の意味・わかりやすい解説
ウスノキ
うすのき / 臼木
[学] Vaccinium hirtum Thunb.
ツツジ科(APG分類:ツツジ科)の落葉低木。高さ1メートル内外で若枝は緑色。葉は互生し、長楕円(ちょうだえん)状卵形、長さ2~4センチメートルで先はとがり、縁(へり)に細鋸歯(さいきょし)がある。4~5月、前年の枝の先に白色ですこし赤褐色を帯びた鐘形の花が1~3個下向きに開く。花冠は長さ約5ミリメートルで、先が浅く5裂して反り返り、雄しべは10本ある。果実は倒卵形、長さ約1センチメートルで浅い5稜(りょう)があり、先はへこみ、周りに5枚の萼片(がくへん)が残っている。8~9月に赤く熟して食べられる。北海道、本州、四国、九州の山地に分布する。名は、果実の先がへこみ臼(うす)形になるためで、果実が角張るのでカクミノスノキ(角実の酢の木)ともよばれる。
[小林義雄 2021年4月16日]