ウダヤギリ(その他表記)Udayagiri

デジタル大辞泉 「ウダヤギリ」の意味・読み・例文・類語

ウダヤギリ(Udaigiri)

インド中東部、オリッサ州の都市ブバネシュワル郊外にあるジャイナ教石窟寺院群。市街中心部の西約7キロメートルの丘に位置し、西方カンダギリという丘の石窟群に相対する。紀元前2世紀から築かれた18の石窟が残っている。

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改訂新版 世界大百科事典 「ウダヤギリ」の意味・わかりやすい解説

ウダヤギリ
Udayagiri

中部インドの古代遺跡。サーンチーの北東約9kmに古代の商業都市ビディシャーがあり,その北郊のベースナガルからはマウリヤ時代からグプタ時代に至る多数の石彫が出土した。しかし現地に残るのは,土地の人々が〈カーム・バーバー〉と呼ぶ石柱のみである。刻文によれば,ビシュヌ教徒であったタキシラのギリシア人ヘリオドロス(前2世紀末期)が造立したガルダ鳥の彫刻をのせた石柱であったことがわかる。ベースナガル西方の低い丘の東麓にあるウダヤギリ石窟は,最古のヒンドゥー教石窟として知られている。総数20窟のうち,半数近くは単なる龕室(がんしつ)にすぎない小規模なもので,第20窟のみジャイナ教のもの。第5窟は,縦390cm,横670cmの龕に,大地を象徴する女神を海底から救出する猪頭人身のビシュヌ神を高浮彫する。ビシュヌの体軀は野性味あふれ圧倒的な迫力をそなえ,グプタ盛期を代表する作品である。第6窟外壁に刻まれた神々,第3窟のカールッティケーヤKārttikeya,第4窟のシバ神の象徴であるリンガ(男根)なども力のみなぎった造形になる。刻文から第6窟はチャンドラグプタ2世(在位376-414ころ)の封臣によって401年に,第7窟は同王の大臣によって,第20窟は425年に造立されたことがわかる。
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百科事典マイペディア 「ウダヤギリ」の意味・わかりやすい解説

ウダヤギリ

インド,オリッサ州ブバネーシュワルの北西にある前2―前1世紀に造られたジャイナ教石窟寺院東西相対する2丘のうちの東の丘で,西の丘はカンダギリという。僧院形式であるが,石窟そのものよりは特色ある地方様式を示す彫刻が注目される。

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世界大百科事典(旧版)内のウダヤギリの言及

【カンダギリ・ウダヤギリ】より

…東インド,オリッサ州ブバネーシュワルの南西約6kmの相接する二つの丘カンダギリ(南西,15の石窟と19世紀初期再建の石積寺院)とウダヤギリ(北東,18の石窟と頂上に後円の石積寺院址)にあるジャイナ教遺跡。ウダヤギリ第14窟にあるカーラベーラ王の刻文は前1世紀末期と考えるのが有力で,おもな石窟はそれから2世紀ころまでに掘られた。…

【グプタ朝】より

…マトゥラーではジャイナ教やヒンドゥー教彫刻も頂点を迎えた。一方,マールワー地方では,ラーマグプタのころにすでにかなりの発展段階にあったことが知られ,次いで401年の銘があるウダヤギリ石窟には,生命力の横溢したヒンドゥー教彫刻の傑作がのこされている。その他この地方では,サーンチーの仏教彫刻,エーランやデーオーガルのヒンドゥー教彫刻も重要である。…

※「ウダヤギリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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