ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エカテリーナ1世」の意味・わかりやすい解説
エカテリーナ1世
エカテリーナいっせい
Ekaterina I Ale-kseevna
[没]1727.5.17. ペテルブルグ
ロシア女帝 (在位 1725~27) 。リトアニア (リトワ) 農民の娘で,前名はマルファ・スカブロンスカヤ。スウェーデン人と結婚していたが,北方戦争中マリエンブルクを占領したロシア軍に捕えられ,A.D.メンシコフ公に売られた。その家を訪れたピョートル1世 (大帝)の目にとまり,寵愛を受け,1712年正式に結婚して彼の2度目の妃となる。よき妻であった。ピョートルの死後,帝位継承の争いが起ったが,新廷臣貴族の代表であったメンシコフと彼を支持する近衛連隊に擁立されて即位。旧門閥貴族は彼女に迫って,26年国家の最高統治機関である枢密院を創設させたが,その実権はメンシコフの握るところとなり,国政は彼の掌中に帰した。その治世は短かったが,これ以後エカテリーナ2世 (大帝) の時代にいたるまで,ロシアは貴族の寡頭制を経験することになった点で注目される。
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