世界大百科事典 第2版 「蕉風俳諧」の意味・わかりやすい解説
しょうふうはいかい【蕉風俳諧】
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
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…また,貞徳を祖とする〈貞門俳諧〉の保守的・形式的な性格にあきたらなくなった町人階級は,その反動として現実を自由にいきいきと表現しうる西山宗因の〈談林俳諧〉を生み出した。そして談林の堕落の中,松尾芭蕉は中世的な幽幻余情の精神を旨とする〈蕉風俳諧〉を確立した。芭蕉によってはじめて俳諧も高い芸術性が与えられた。…
…
[形式と種類]
俳諧文芸を形式の面から分類すると,狭義の意味の〈俳諧〉(連句),その巻頭の〈発句〉(俳句),さらには〈俳文〉〈俳論〉などに分けることができる。貞門俳諧,談林俳諧のころまでは100句を続ける〈百韻〉が標準的な形式であったが,蕉風俳諧以後は36句続ける〈歌仙〉形式がそれにとって代わった。このほかにも〈千句〉〈十百韻(とつぴやくいん)〉〈万句〉〈五十韻〉〈米字(よねじ)〉〈四十四(よよし)〉などの形式があったが,これらは特殊な場合にのみ行われた。…
…蕉風俳諧の美的理念の一。作者の心が対象の微妙な生命の急所にしみとおってゆき,そこに風雅の伝統の細き一筋を感得すること,およびその感得したものを句ににないこむ気味合いをいう。…
※「蕉風俳諧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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