エサリッジ(読み)えさりっじ(その他表記)George Etherege

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エサリッジ」の意味・わかりやすい解説

エサリッジ
えさりっじ
George Etherege
(1635ころ―1691)

イギリスの劇作家。『滑稽(こっけい)な復讐(ふくしゅう)あるいは樽(たる)の中の恋』(1664)によって登場し、続いて『彼女はやる気十分』(1668)、『当世風の男』(1676)を発表、王政復古期喜劇の初期の代表作家となる。作品はすべて社交界の乱れた男女関係を機知に富んだ文体でとらえた喜劇で、とくに、当時の退廃的な詩人ロチェスターを思わせる主人公ドリマントと、えせ才人サー・フォップリング・フラターとが現れる『当世風の男』は有名。外交官としても活動し、トルコババリアなどに赴き、1679年ごろサーの称号を受けたが、ジェームズ2世が革命によって退位すると同時に職を失ってパリへ逃れ、貧窮のうちに没した。

[喜志哲雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エサリッジ」の意味・わかりやすい解説

エサリッジ
Etherege, Sir George

[生]1635頃.バークシャー,メードンヘッド
[没]1692. パリ
イギリスの劇作家。若い頃フランスで生活し,モリエールの影響を受けた。処女作『滑稽な復讐』 The Comical Revenge (1664) は韻文悲劇と散文喜劇の混合した作品で,喜劇の部分は風習喜劇先駆。次作『彼女はできることならやりたい』 She Would if She Could (68) ,最後の『当世風の男』 The Man of Mode (76) は,いずれも社交界の男女関係を扱い,ことに後者は王政復古期喜劇の傑作。外交官として再三外国に渡り,その経験を記した書簡集がある。

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