2001年に登録された世界遺産(文化遺産)で、モロッコ中部、首都ラバトの南西約380kmに位置する。エッサウィラは、16世紀の初めに、西アフリカ沿岸におけるポルトガルの貿易と軍事の拠点として発展したが、1541年、ポルトガルが地元部族との争いでこの拠点を失うと、町は衰退した。1765年、この地域を支配していたスルタンは、フランス人の建築家テオドール・クールニュに命じて、町を外国貿易と軍事的防御を兼ね備えた近代的な港湾都市に改造した。その後、町は大きく発展し、19世紀には、アフリカ西海岸で唯一、ヨーロッパ人に開かれた国際貿易港になった。1912年にモロッコがフランスとスペインの植民地となり、フランス領のエッサウィラはモガドールと呼ばれたが、1956年にモロッコが独立すると、再びエッサウィラに戻った。エッサウィラの旧市街(メディナ)は、ポルトガルやフランスの建築様式の影響を受けた、北アフリカで最も美しい町の一つとされている。このような魅力が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はMedina of Essaouira(formerly Mogador)