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エメラルド碑板 エメラルドひばんEmerald Tablet

世界大百科事典 第2版の解説

エメラルドひばん【エメラルド碑板 Emerald Tablet】

エメラルドに刻まれた最古とされる錬金術文献。別称《タブラ・スマラグディナTabula smaragdina》。作者はヘルメス・トリスメギストスとも,ヒラム王とも信じられているが,また一説には12世紀ころのものとも言う。宇宙と自然と人間の三世界には〈三位一体〉の原理が貫いており,それが〈上のごとく,下もしかり〉という,万物照応の根拠になっていると説く。肉体に埋められた精妙物質を,この原理に従って蒸留,揮発,腐敗,増殖させ,黒化―白化―赤化の過程を経て賢者の石を形成する方法を述べている。

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世界大百科事典内のエメラルド碑板の言及

【エメラルド】より

…エメラルドの合成は1940年代にアメリカで成功し,フランス,ドイツ,オーストリア,ソ連(現,ロシア),日本などでも盛んに行われている。【近山 晶】
[伝承]
 ヘルメス・トリスメギストスの手になるとされる伝説的な錬金術文書の一つに《エメラルド碑板》(ラテン語で《タブラ・スマラグディナ》)というのがあるように,エメラルドはその美しい緑色の光輝のために,古来,もっとも貴重な石とみなされてきた。多くの効能があるとされたが,その中でもいちばん知られているのは,目のために良いという説であろう。…

【錬金術】より

… さらに10~13世紀にかけて,イブン・シーナー(ラテン名アビセンナ),イラーキーal‐‘Irāqīなど,医化学に興味をもつすぐれた哲学者たちがたくさん輩出した。〈精〉について記述した《エメラルド碑板》という作者不明の短い文書も見逃すわけにはいかない。〈上のものは下のもの,下のものは上のもの……〉という謎めいたアラビア語で書かれた完全無欠な〈精〉は,ヘルメス・トリスメギストスの教えるものであり,錬金術師は,この〈精〉を〈賢者の石(哲学者の石)〉〈凝固したプネウマ〉としてとり出すことを願った。…

※「エメラルド碑板」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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