オデーサ州(読み)オデーサ(英語表記)Odesa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オデーサ州」の意味・わかりやすい解説

オデーサ〔州〕
オデーサ
Odesa

ウクライナ南部の州。州都オデーサ黒海に面し,黒海沿岸平原と北西部のポドリスク丘陵からなる。標高 200m以下の低平な土地が広がり,黒海沿岸にはドニストル川(ドネストル川河口の潟など,多くの潟がある。南はドナウ川を隔ててルーマニアと相対する。乾燥気候で,年降水量は 300~450mm。ステップ地帯に属するが,丘陵には広葉樹林がみられる。住民はウクライナ人のほかロシア人モルドバ人など。重工業と食品工業が発達し,オデーサを中心にイズマイールコトフスクなどの都市に立地している。肥沃黒土地帯では農業が発達し,ウクライナの穀倉の一つといわれ,コムギ,トウモロコシ,テンサイなどの栽培が盛んである。ドニストル川左岸の丘陵ではブドウ栽培が行なわれる。ウシ,ヒツジの飼育も行なわれ,ドナウ川,黒海では漁業が盛んである。モルドバの首都キシナウ,ウクライナの首都キーウキエフ)につながる鉄道が通る。ドニストル川,ドナウ川では河川交通が発達し,オデーサ港,コルノモルスク港(イリイチェフスク港)は黒海の海上交通を担う。面積 3万3310km2。人口 239万6422(2015推計)。

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