オブラスツォフ(英語表記)Sergei Vladimirovich Obraztsov

改訂新版 世界大百科事典 「オブラスツォフ」の意味・わかりやすい解説

オブラスツォフ
Sergei Vladimirovich Obraztsov
生没年:1901-92

ソ連邦人形劇の演出家,俳優,作家。著名な鉄道学者V.N.オブラスツォフ(1874-1949)の息子。はじめ美術学校で絵画を学び,在学中の1918年から俳優としてモスクワ芸術座音楽スタジオ(1926年にダンチェンコ音楽劇場と改称),30年から36年まで第2モスクワ芸術座の舞台に立った。そのかたわら1920年から人形劇の公演をおこない,31年にモスクワの児童芸術教育会館付属人形劇団を創設し,各地で公演し好評を得た。37年にモスクワに開設した国立中央人形劇場は,子ども向けとおとな向けの絢爛豊富なレパートリーもち併設の人形博物館に世界の人形劇の資料を集めている。人形操作と舞台装置新機軸を生み出し,そのソロ・コンサートも人気を集め,人形劇の理論と方法に関する著述も多い。主著《人形劇--私の生涯仕事》(1950)。76年からウニマ(国際人形劇連盟)の会長。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オブラスツォフ」の意味・わかりやすい解説

オブラスツォフ
おぶらすつぉふ
Сергей Владимирович Образцов/Sergey Vladimirovich Obraztsov
(1901―1992)

ロシアの人形劇の指導者、演出家、俳優。著名な鉄道学者ウラジーミル・ニコラエビチ・オブラスツォフ(1874―1949)の息子として生まれる。最初絵画を学び、また俳優としてモスクワ芸術座などの舞台に立った。1931年に人形劇団を創設、37年にはモスクワに中央人形劇場を開設した。子供向けと大人向けのそのレパートリーは豊富で、併設の人形博物館とともにモスクワの名所になっている。人形劇の理論と方法に関する著述も多く、舞台装置と人形操作に新機軸を生み出した。

中本信幸

『オブラスツォーフ著、大井数雄訳『人形劇――私の生涯の仕事』『続・人形劇――私の生涯の仕事』(1979、1984・晩成書房)』『オブラスツォーフ著、大井数雄訳『人形劇とはどういうものか』(1981・晩成書房)』

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