オーロビンド(読み)おーろびんど(その他表記)Aurobindo Ghosh

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オーロビンド」の意味・わかりやすい解説

オーロビンド
おーろびんど
Aurobindo Ghosh
(1872―1950)

近代インドの宗教思想家。ゴーシュが姓であるが、シュリー・オーロビンド(シュリーShrīは「聖」の意)ともよばれる。カルカッタ(現、コルカタ)に生まれたが、幼少のころ渡英して西欧の教育を受ける。ケンブリッジ大学を卒業し、1894年帰国。その後、カルカッタを中心に展開されたベンガル分割反対闘争に参加し、急進派ティラクと組んで指導者として活躍したが、その思想の観念論的傾向のゆえに、イギリス官憲から弾圧を受けるや、政治から離れ、当時のフランス領ポンディシェリ(インド南部のプドゥチェリ)に隠棲(いんせい)した。1925年同地に修道場(アーシュラム)を建設、そこを拠点に思索著述と教育に専念した。彼は、インド思想こそが世界を導き人類を救う思想であると力説し、また悟りによって得られる絶対者の力を身につけた超人の出現を待望する論を述べた。主著に『聖なる生活』(1949)がある。

[増原良彦 2018年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オーロビンド」の意味・わかりやすい解説

オーロビンド
Aurobindo Ghosh

[生]1872.8.15. カルカッタ
[没]1950.12.5. ポンディシェリー
インドの宗教家。シュリー・オーロビンド SrīAurobindoともいう。イギリスで教育を受け,帰国後教職にたずさわり,カルカッタのナショナル・カレッジ学長となる一方,反英運動の指導者として独立運動を展開したが,1908年,弾圧にあい投獄され,10年,すべての政治運動を捨ててヨーガ行者となり,インド南部のポンディシェリーに隠退した。哲学雑誌『アーリヤ』を刊行して哲学思想を発表し (1914~21) ,25年,国際的なアーシュラマを建設。哲学,ヨーガ,社会学,政治から詩,文芸評論まで,広い分野にわたって著作が多い。

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