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超人 ちょうじんÜbermensch

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

超人
ちょうじん
Übermensch

中間者としての人間が克服された結果,存在することになった絶対者のこと。この人の概念はすでにルキアノスの hyperanthrōposというギリシア語に始まり,アダム・H.ミュラー,ヨハン・G.ヘルダー,ヨハン・ウォルフガング・フォン・ゲーテ,テオドール・ゴットリープ・フォン・ヒッペル,ジャン・パウルらにおいて見出されるが,思想として哲学的に深められたのはフリードリヒ・W.ニーチェにおいてである。ニーチェは著書『ツァラトゥストラはかく語りき』で,超人の具体像こそはツァラトゥストラであり,キリスト教の神に代わる人類の支配者で,民衆はその服従者でしかないと唱えた。また超人の正反対の存在として末人 der letzte Menschがあるとも記した。ニーチェの超人思想はのちの時代,たとえばナチスにより曲解されたこともあったが,現代では実存主義哲学の立場などから新たな光があてられている。

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デジタル大辞泉の解説

ちょう‐じん〔テウ‐〕【超人】

並み外れた能力をもった人。スーパーマン。
《〈ドイツ〉Übermenschニーチェ哲学の中心概念。超克さるべき存在としての人間がその可能的極限にまで到達した存在。人間の理想的典型。キリスト教的神にかわって人類を支配するものとされる。その具体像はツァラトゥストラとされる。→君主道徳権力への意志

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世界大百科事典 第2版の解説

ちょうじん【超人 Übermensch[ドイツ]】

ドイツの哲学者ニーチェの著作《ツァラトゥストラ》(1883‐85)の中で,人間にとっての新たな指針(和辻哲郎の用語では〈方向価値〉)として情熱的に説かれた言葉。その熱っぽさが,19世紀末の微温的市民社会と精神的閉塞状況からの脱出を願う青年知識層に広く迎えられた。超人は民衆を離れ,孤高の中で人間の卑小さの絶えざる克服をめざす。超人は人間という〈暗雲〉からひらめく〈稲妻〉〈狂気〉である。〈人間は動物と超人とのあいだに張りわたされた一本の綱なのだ〉。

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大辞林 第三版の解説

ちょうじん【超人】

人なみはずれてすぐれた能力の持ち主。スーパーマン。
ドイツ Übermensch〕 〘哲〙 ニーチェ哲学の中心概念。人間を超克されるべき中間者と考え、その超克の極限に立てられる概念。権力意志により積極的に生を肯定し、キリスト教にかわり善悪の彼岸にあって民衆に命令を下す。その具体像はツァラツストラとされる。 → 権力意志君主道徳

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世界大百科事典内の超人の言及

【実存主義】より

…彼はとくに《哲学的断片への後書》(1846)において,客観的真理が人間を生かすのではなく〈主体性内面性が真理である〉と語り,単独者として神の前で主体的に生きる人間を宗教的〈実存〉と呼んだ。ニーチェもまた不断に脱自的であらざるをえない人間を〈力への意志〉に基づく〈超人〉と名づけ,無意味な自己超克を繰り返しているかに思われる運命を肯定することに意味を発見した。〈実存哲学〉の語が定着するのは,第1次大戦後の動向のうちとくに《存在と時間》(1927)に表明されたハイデッガーの哲学を念頭に置いて,これを〈人間疎外の克服を目指す実存哲学〉と呼んだF.ハイネマンの著《哲学の新しい道》(1929)以降であり,ヤスパースがこれを受けて一時期みずから〈実存哲学〉を名のった。…

【ニーチェ】より

…そしてこの《ツァラトゥストラ》で後期の思想が始まったと普通に言われている。 後期には〈力への意志〉,ニヒリズム,超人,永劫回帰,〈価値の転換〉といった中心的思想の多少なりとも連関した叙述をめざして,さまざまな変奏を加えたアフォリズムが書きつがれていく。《善悪の彼岸》(1886),《道徳の系譜学》(1887),《偶像の黄昏》(1889),《ニーチェ対ワーグナー》(1888脱稿),《ワーグナーの場合》(1888),《アンチキリスト》(1888脱稿),そして自伝的著作《この人を見よ》(1888脱稿)などがそうした作品群である。…

※「超人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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