カルデア(読み)かるであ(英語表記)Chaldea

翻訳|Chaldea

日本大百科全書(ニッポニカ)「カルデア」の解説

カルデア
かるであ
Chaldea

本来ペルシア湾岸沿いの、ティグリス、ユーフラテス両大河のつくるデルタおよびその西縁の南バビロニアの一部の地をさす。アッカド語ではMāt Kaldi(「カルデア人の国」の意)。『旧約聖書』では全バビロニアを意味した(カルデアのウル)。カルデア人はバビロニアにおけるアラム人のもっとも重要な大種族で、紀元前一千年紀初めに南部バビロニアにいくつもの部族に分かれて定住し、バビロニアの言語、文化を採用した。アッシリア王の年代記には前9世紀初めに現れ、前8世紀末にはビート・ヤキンのメロダクバラダン2世が出てバビロニア王となり(在位前722~前710)、シリア、パレスチナ、エジプト、エラムなどと謀ってアッシリアを包囲する反乱を企てたが失敗した。

 前626年、カルデア人の王ナボポラサルがアッシリアの弱体化に乗じてバビロニア王となり、メディア王キャクサレスと連合してアッシリアを滅ぼし(前609)、南部メソポタミアからシリア、パレスチナに及ぶ一大王国を確立した。これがカルデア王国もしくは新バビロニア王国(前626~前539)で、バビロニア最後の独立王国となった。

 カルデア人は、ギリシア、ラテン史料ではバビロニアの祭司階層や、さらに一般的に占星術や呪術(じゅじゅつ)を行う者、もしくは賢者を意味した。

[山本 茂]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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