キューバ南東部のコーヒー農園発祥地の景観(読み)キューバなんとうぶのコーヒーのうえんはっしょうちのけいかん

世界遺産詳解 の解説

キューバなんとうぶのコーヒーのうえんはっしょうちのけいかん【キューバ南東部のコーヒー農園発祥地の景観】

2000年に登録された世界遺産(文化遺産)。キューバ南東部のサンティアゴ・デ・クーバ州とグアンタナモ州にまたがる、シエラ・マエストラ山脈の丘陵地帯814.75km2に広がる171のコーヒープランテーション跡地である。カリブ海地域での黒人奴隷を労働力にしたプランテーションは18世紀、フランス領サン=ドマングで大規模に展開されていたが、ハイチ革命によって同地を追われた白人たちは黒人奴隷を連れてキューバに渡った。その多くはキューバでサトウキビプランテーションを立ち上げたが、シエラ・マエストラ山脈ではコーヒー・プランテーションが発展した。この大規模なコーヒー農園は、その後ブラジルなどの産地に押されて衰退していくが、この一帯に独特の景観をつくり出した。現在、ハイチ伝来の手法による当時のコーヒー農園が残されており、山の斜面に面した広大な農園の中には往時トロッコなどの設備も残され、植民地時代のコーヒー栽培の模様を知ることができる。◇英名はArchaeological Landscape of the First Coffee Plantations in the South-East of Cuba

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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