クルイ(その他表記)Klui

デジタル大辞泉 「クルイ」の意味・読み・例文・類語

クルイ(〈タイ〉khlui)

竹製の縦笛タイクルアンサーイマホーリー合奏などに用いられる。歌口構造リコーダー式で、音域により3種に分かれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クルイ」の意味・わかりやすい解説

クルイ
Klui

東南アジアの気鳴楽器。タイを中心に行われる竹製縦笛。硬木または象牙製のものもある。ラオスのクーイ,ミャンマーのピュエやパルウェー,インドネシアのスリンは同系。吹口には木栓を,呼子笛のような隙間を残して管の上端内にすっぽりはめこみ,裏面に矩形の穴をあけ,これが空気の逃げ口となる。指孔は表に6~7孔,裏に1孔と,裏孔の右上にもう1孔あり,かつてはここに竹の薄膜をつけていたが,今日では薄紙を張る。下端にも2対の孔があるが,紐を通したりする装飾孔である。タイではマホリとクルアンサイの編成に用いられ,大小各種あるが,長さ 36cm,幅 2cmほどの細いクルイ・リープや 45cm× 4cmの中型のクルイ・ピアン・オー,60cm× 4.5cmのクルイ・ウが代表的。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クルイ」の意味・わかりやすい解説

クルイ
くるい
khlui

タイにおける笛の総称。そのなかで一般的には縦吹きリコーダー式フルートをさす。これは、指孔は表に6~7孔、裏に1孔、普通は開管、歌口(うたぐち)は木栓で閉じられた管の一端のすきまを吹口(ふきぐち)とする構造をもつ。指孔以外に、竹や金の箔(はく)を張った共鳴用の孔がある。鼻から息を吸って同時につねに口から吹き続ける独特の奏法により、息継ぎなしに音が持続される。独奏にも各種の合奏にも用いられる。この種は東南アジアに広く分布し、クロイカンボジア)、クルイまたはクーイ(ラオス)などとよばれている。

[川口明子]

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世界大百科事典(旧版)内のクルイの言及

【笛】より

… エア・リードは横笛以外の楽器でも利用されている。たとえば縦に構える楽器として,まずリコーダースリン,タイのクルイなどがある。管の上端を一応は閉じてあるが,なんらかの形で狭い隙間(気道)がつくってあり,管端をくわえて吹くと呼気は気道に入って歌口に導かれる。…

※「クルイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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