スリン(その他表記)suling[インドネシア]

デジタル大辞泉 「スリン」の意味・読み・例文・類語

スリン(〈インドネシア〉suling)

インドネシアの民族楽器で、竹製の縦笛ジャワ島バリ島ガムランで旋律装飾楽器として用いられるほか、インドネシア各地で広く使用される。リコーダー式の歌口をもち、鼻呼吸をしながら、切れめなく音を出す。→ガムラン

スリン(Surin)

タイ北東部の町。毎年11月に行われる、200頭以上のゾウ市内を行進するゾウ祭りで有名近郊にクメール朝時代の遺跡があるほか、絹織物生産が盛ん。

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改訂新版 世界大百科事典 「スリン」の意味・わかりやすい解説

スリン
suling[インドネシア]

ノン・リードの管楽器。インドネシアの竹製の縦笛。管の上端は節の部分で閉じられており,その節の一部を斜めに削り取りその少し下に四角い吹口をあける。吹口の下辺は内側が鋭角に削られ,節に巻きつけた籐製の鉢巻状のものの作用と相まって,息が吹き込みやすい構造になっている。指孔は吹口と反対の側にあり,4~6孔が普通である。最も太いものは,バリのスリン・ガンブで,直径約4.5cm,長さも90cm近くある。最も長いものは,スラウェシトラジャ族が用いるルンバンで,80cmから1mにも及ぶ。短いものでは20cmくらいのものもある。スマトラ,西部ジャワ,スラウェシなどでは,歌や語りの伴奏として用いられ,中部ジャワ,西部ジャワ,バリのガムランでは主導旋律楽器として,ときには効果的な装飾旋律楽器として用いられる。
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百科事典マイペディア 「スリン」の意味・わかりやすい解説

スリン

インドネシアの吹口に輪のついた縦笛。竹製。前面に指孔4〜6。管の上端は竹の節で閉じており,そこに入れられた切り込みと,まわりに巻かれた竹の薄片の間にダクトが形成される。呼気はダクトを通って,節の少し下の側壁にあけられている四角い歌口にあたり発音する。循環呼吸で切れ目なく音を出し続けるのが特徴。ガムラン,歌や語りの伴奏に用いられる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スリン」の意味・わかりやすい解説

スリン
suling; soeling

インドネシアの竹製縦笛。管の端を削り輪をはめてそこにできたすきまに空気を吹込む。レコーダ (ホイッスル) 式のもので,指穴はスレンドロ用は4個,ペロッグ用は6個。ガムランではスレンドロ,ペロッグの音階によって使い分ける。最大のものはバリ島のガムランで使われるスリン・ガンブーである。

スリン
Surin

タイ東北地方の南部,スリン県の県都。ナコンラーチャシーマー東方 150kmのコラート高原南部にあり,鉄道で結ばれる。米,漆器などの集散地。人口3万 9000 (1990推計) 。

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世界大百科事典(旧版)内のスリンの言及

【笛】より

… エア・リードは横笛以外の楽器でも利用されている。たとえば縦に構える楽器として,まずリコーダースリン,タイのクルイなどがある。管の上端を一応は閉じてあるが,なんらかの形で狭い隙間(気道)がつくってあり,管端をくわえて吹くと呼気は気道に入って歌口に導かれる。…

※「スリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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