音楽用語。音高(音の高さ)上の区域をさし示して用いるもの。特定の楽器や声が出すことのできる音の範囲や特定の音組織の包括範囲を示し、楽器の音域、声部の音域(声域)などといったぐあいに用いる。また、楽器や音組織の全音域のなかで、ある一定の範囲をいうこともある。たとえば、高音域、中音域、低音域の区別などは、奏法や音色の変化から単に相対的に生じるものである。このように、区域内に含まれるすべての音を総括した用い方以外に、その区域の上限と下限との音程の幅をさすこともある。たとえば、C3からC5の範囲を2オクターブの音域という。人の声に関しては、その個人の出しうる声の音域を声域といい、声質や発声法によって区分される音域を声区(レジスターregister)とよぶ。ソプラノ、メゾ・ソプラノ、アルト(以上女声)、テノール、バリトン、バス(以上男声)などとよばれるものである。
楽器は、しだいにその構造が改良され続け、音域は徐々に広げられてきたが、現在ではもはや人間の聴覚の限界に達しているといってよい。また声域も、発声法の改良により、いくぶん広げられてはいるが、すでに生理的な限界に達している。
[黒坂俊昭]
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