クロスカップリング

百科事典マイペディア 「クロスカップリング」の意味・わかりやすい解説

クロスカップリング

有機化学でカップリングは結合形成を意味するが,クロスカップリングは有機合成化学用語で,異なる構造をもつ二つの分子を結合させて一つの分子にする化学反応のこと。カップリング反応の一種である。特に,結合させることが難しい,有機化合物を構成するベンゼン環などの炭素どうしを選択的に結びつける化学反応を指す。パラジウム触媒に用いる溝呂木-ヘック反応根岸カップリング反応,鈴木カップリング反応などが知られ,多彩なクロスカップリングのなかからとくに有用な医薬農薬液晶などの製造への利用に貢献した業績に対して,2010年ノーベル化学賞がR.F.ヘック根岸英一鈴木章の3名に授与されている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

イチロー

[1973~ ]プロ野球選手。愛知の生まれ。本名、鈴木一朗。平成3年(1991)オリックスに入団。平成6年(1994)、当時のプロ野球新記録となる1シーズン210安打を放ち首位打者となる。平成13年(...

イチローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android