日本大百科全書(ニッポニカ) 「グローバル労連」の意味・わかりやすい解説
グローバル労連
ぐろーばるろうれん
Global Union Federations
略称GUF。19世紀以降、ヨーロッパを中心として発達した一群の産業別、職業別の国際労働組合組織の総称。日本では国際産業別組織ともよばれてきた国際産業別書記局International Trade Secretariats(ITS)が、経済のグローバル化と傘下組織の再編・統合に対応して、2002年1月プラハでの総会で現名称に改めた。
国際産業別書記局は国際自由労連International Confederation of Free Trade Unions(ICFTU)の一般方針を認め、1951年に協力協定を締結して、事実上の産業別下部組織となった。ICFTUは2006年11月に国際労連World Confederation of Labour(WCL)などと国際労働組合総連合International Trade Union Confederation(ITUC)を結成したため、その後はこれと連携して活動を進める関係になった。2012年時点で、次の11組織によって構成されている。ユニオン・ネットワーク・インターナショナルUnion Network International(UNI)、国際金属労連International Metal workers' Federation(IMF)、国際建設・林業労連Building and Wood Workers International(BWI)、国際化学・エネルギー鉱山一般労連International Federation of Chemical, Energy, Mine and General Workers' Unions(ICEM)、国際食品関連産業労連International Union of Food(IUF)、国際繊維・被服・皮革労組同盟International Textile, Garment and Leather Workers' Federation(ITGLWF)、国際運輸労連International Transport Workers' Federation(ITF)、国際公務労連Public Services International(PSI)、国際ジャーナリスト連盟International Federation of Journalists(IFJ)、教育インターナショナルEducation International(EI)、国際芸術・エンターテインメント連盟International Arts and Entertainment Association(IAEA)である。日本の組合では全日本金属産業労働組合協議会(金属労協=IMF‐JC)など、日本労働組合総連合会(連合)の構成組織がGUFに加盟している。
[五十嵐仁]
『堀田芳朗編著『世界の労働組合 歴史と組織』新版(2002・日本労働研究機構)』