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ケロアック ケロアックKerouac, Jack

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ケロアック
Kerouac, Jack

[生]1922.3.12. マサチューセッツ,ローウェル
[没]1969.10.21. フロリダ,セントピーターズバーグ
アメリカの小説家,詩人。「ビート・ジェネレーション」の代表的な作家で,自伝的色彩の濃い作品が多い。フランス系カナダ人の子に生れ,コロンビア大学中退。第2次世界大戦中,神経症のため海軍を除隊になり商船に乗組む。その後アメリカ,メキシコを放浪,鉄道員,森林警備隊員など,種々の職業につく。 1950年に処女小説『町と都市』 The Town and the Cityを発表,第2作『路上』 On the Road (1957) で大きな反響を呼んだ。これは筋らしい筋もなく,伝統的道徳観念に反抗して麻薬,酒,セックス,ジャズ,スピードなどから生れる感覚的陶酔を求めて放浪する若者たちをドライな文体で描いたもの。『ダルマ行者たち』 The Dharma Bums (58) では,禅にいう「達磨」つまり真実を求める人々を描いている。そのほか『地下街の人々』 The Subterraneans (58) ,『ドクター・サックス』 Doctor Sax (59) ,詩集『メキシコシティー・ブルース』 Mexico City Blues (59) など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ケロアック
けろあっく
Jack Kerouac
(1922―1969)

第二次世界大戦後の「ビート世代(ビート・ジェネレーション)」を代表するアメリカの作家。マサチューセッツ州出身。コロンビア大学中退後、第二次大戦中は商船の乗組員、戦後は鉄道員などをして各地を放浪。やがて、戦争、物質文明、虚飾の文化などに反逆する若い世代のバイブルともいわれた『路上』(1957)を発表。続く『達磨(だるま)の放浪者』(1958)は、禅、俳句、托鉢(たくはつ)の精神によって至福beatitudeの世界を求めるビート派の行脚(あんぎゃ)物語。ほかに、上記2作品と同じく自伝的要素の濃い処女作『町と都会』(1950)、ビート作家と黒人少女の恋を描く『地下街の人びと』(1958)、詩集『メキシコシティ・ブルース』(1959)など。ケロアックは、原稿の書き直しは本来自然の魂の表現を損なうとして、「自然発露的散文(スポンテーニアス・プローズ)」を提唱したが、晩年、飲酒癖が高ずるにつれ、もともと未整理な文体や構成はさらに混沌(こんとん)としたものになった。47歳で脳出血のため死亡。[小原広忠]
『ジョン・タイテル著、大橋健三郎・村山淳彦訳『ビート世代の人生と文学』(1978・紀伊國屋書店)』

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