行脚(読み)あんぎゃ

デジタル大辞泉の解説

あん‐ぎゃ【行脚】

[名](スル)《「あん(行)」は唐音
仏道修行のために、僧侶が諸国を歩き回ること。「雲水の行脚
ある目的で諸地方を巡り歩くこと。「遺跡を行脚する」

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世界大百科事典 第2版の解説

あんぎゃ【行脚】

中国で禅僧行雲流水のごとく天下を遊行することをいい,これを唐宋音で読んだものである。僧は本来無一物となって一所不住の頭陀抖擻(ずだとそう)すべきものであるから,修行時代の禅僧はいわゆる雲水となって,行脚しなければならない。その間に明師に会えば,僧堂会下(えか)に一時とどまることもあるが,そこに定住することは許されない。その行脚には直綴(じきとつ)を着て脚絆草鞋をつけ,頭陀袋または三衣(さんね)袋を肩に掛け,鉄鉢(てつぱつ)をささげて大きな檜笠をかむる。

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大辞林 第三版の解説

あんぎゃ【行脚】

( 名 ) スル
〔唐音〕
〘仏〙 僧が修行のために諸国を歩きまわること。 「西国を-する」
徒歩で諸国を旅すること。 「全国-」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

行脚
あんぎゃ

仏教僧が一定の寺院にとどまることなく、広く仏道の師友を求め、また教化のために諸国を遍歴(へんれき)すること。遊行(ゆぎょう)、遊方(ゆほう)と同義。求法証悟(ぐほうしょうご)(仏教を求め、悟ること)を目ざし、人情を脱し煩悩を断つため、広く山川を巡って参禅聞法したり、あるいは大衆に布教する仏道の実践で、おもに禅宗における修行方法である。このような修行者を行脚僧といい、また行雲流水に例えて雲水(うんすい)ともいう。行脚は、所定の修行期間を除いた解間(げあい)という時期に、頭陀行(ずだぎょう)の精神に基づく一定の規矩(きく)のもとに行われた。転じて、俳人たちの諸国旅行のことをもいう。[石川力山]

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精選版 日本国語大辞典の解説

あん‐ぎゃ【行脚】

〘名〙 (「あん」は「行」、「ぎゃ」は「脚」の唐宋音)
① 仏語。禅僧が諸国を巡って修行すること。また、その僧。頭陀(ずだ)。雲水。遊行(ゆぎょう)。抖擻(とそう)
※正法眼蔵(1231‐53)行持上「はじめて発心求道をこころざす。瓶錫(びゃうしゃく)をたづさへて行脚し」 〔釈氏要覧‐下・八衆〕
② 徒歩で諸国を旅すること。また、その人。
※上杉家文書‐(年未詳)(室町)一二月一六日・長尾顕景書状「可上方行脚外無他候」 〔項斯‐送僧詩〕
③ 死ぬこと。示寂。
※蔭凉軒日録‐文正元年(1466)三月一八日「大元和尚〈略〉於大雲祖塔入寂。于時喚小児紙筆曰、我己即刻可行脚

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世界大百科事典内の行脚の言及

【雲水】より

…また,雲水僧の略で,雲のごとく定まった住所もなく,水のごとく流れゆきてよる所もないように,諸方の禅師を訪ねて遍歴し,道を求める修行僧をいう。雲衲(うんのう),行脚(あんぎや)とも称す。雲水は,網代笠(あじろがさ)をかぶり,袖の長い雲水衣(直綴(じきとつ))をきて,腰に手巾(しゆきん)と称する丸ぐけの腰紐をしめる。…

【遊行上人】より

…遊行は,本来修行僧が衆生教化と自己修養のために諸国を巡歴することで,仏教の修行の主要なものの一つであった。飛錫,巡錫などの語でもあらわし,禅宗では行脚の語を多く用いる。平安時代には山野を抖擻(とそう)する聖(ひじり)があらわれ,修験道では遊行が重んぜられた。…

※「行脚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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