コト消費(読み)ことしょうひ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ある商品やサービスを購入することで得られる、使用価値を重視した消費行動。
 高度経済成長期以降の日本人の消費行動は、三種の神器(冷蔵庫、洗濯機、掃除機)や通称3C(乗用車、クーラー、カラーテレビ)に象徴されるように、モノの所有価値を重視してきた。このような消費傾向はモノ消費といわれる。コト消費ということばは、消費者の価値観やお金の使い方が、従来のモノ消費から大きく変化したことを印象づける意味で、2000年(平成12)ごろから使われるようになった。典型的な傾向は、所有のためではなく、趣味や行楽、演芸の鑑賞などで得られる特別な時間や体験、サービスや人間関係に重きを置いて支出することで、それが購買の判断基準となっている。とくに60歳代以上のシニア世代の市場で顕著である。たとえば、健康の維持や増進を重視してスポーツイベントやレジャーに参加し、そのためにスポーツ関連商品を購入する場合、値段が若干高くても、相応の品質や独特の価値が得られるのであれば支出を惜しまない。安心安全を確保するための商品、環境配慮型や省エネタイプの商品などでも、このようなコト消費の傾向が強く表れている。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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