改訂新版 世界大百科事典 「コレオーニ」の意味・わかりやすい解説
コレオーニ
Bartolomeo Colleoni
生没年:1400-75
イタリアの傭兵隊長。14世紀ベルガモ市の政治闘争で活躍した家柄の出身。ナポリ,ベネチア,ミラノに仕え,ムーツィオ・アッテンドロ・スフォルツァやガッタメラータ等の当代の高名な傭兵隊長の下で戦い,勇猛さと狡猾さを身につけた。1447年南下してきたオルレアン公の率いるフランス軍に対し,小騎兵部隊の波状攻撃で敵を疲労させる従来の戦法を捨て,一挙に全軍を投入して得た大勝利が彼を有名にし,後の勝利につぐ勝利は不敗神話を生んだ。しかしそれ故にベネチアの不信をかって指揮権を剝奪された折には意表をついて,すでにミラノに帰っていたフランチェスコ・スフォルツァのもとに身を寄せた。54年マルパガ城塞と多大の名誉を与えられてベネチアに呼び戻され,以後20年間その市の軍を指揮した。彼の墓碑銘は〈共和国に仕え,他の誰人にも仕えざるもの〉で,同市のベロッキオ作の彼の騎士像はその功績をたたえたものである。
執筆者:佐藤 眞典
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報