コワンチョウ(広州)特別市(読み)コワンチョウ(英語表記)Guangzhou

翻訳|Guangzhou

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

コワンチョウ(広州)〔特別市〕
コワンチョウ
Guangzhou

中国華南地方,コワントン (広東) 省の省都。華南地区では最大の都市で,東南アジアやホンコンからの玄関口でもある。8区4県から成る。チュー (珠) 江三角州の北端にあり,水運要衝で,チンコワン (京広) 鉄道と,ホンコンへいたるコワンチウ (広九) 鉄道の接続点。秦代から貿易港として繁栄し,3世紀にはアラブ商人が往来している。明代から対ヨーロッパ貿易が盛んとなり,清代の 1757年には中国で唯一の貿易港に指定されたが,イギリス領ホンコンの成立などによって独占的立場は失った。人民共和国成立後も重要な貿易港で,毎年2回開かれる広州貿易会には,世界各国から貿易関係者が集る。市内のコワンチョウ港のほか東郊には 1937年に開かれたホワンプー (黄埔) 港があり,外洋船が入港できる。工業の発展が著しく,鉄鋼コンビナートを中心に,機械,石油化学,造船などの重工業があり,果物缶詰などの食品加工,伝統的な絹,麻,木綿などの紡織製紙,日用雑貨などの軽工業も多い。市街はチュー江の北岸にあり,南岸には新しい工場や住宅地がある。アヘン戦争以来,反帝闘争の拠点で,11年の黄花崗蜂起,25~26年の大規模なストライキ,27年の広州コミューン (広州起義) などの歴史をもっている。市内には,広州起義烈士霊園,黄花崗英雄墓地,農民運動講習所跡など,革命史を記念する建造物が多い。郊外にはパイユン (白雲) 山,ウェンチュワン (温泉) などの行楽地がある。面積 7434.6km2,うち市区面積 1443.6km2,人口 629万 9989,うち市区人口 393万 5195 (1990) 。

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