コンラッド不連続面(読み)コンラッドふれんぞくめん(その他表記)Conrad discontinuity

改訂新版 世界大百科事典 「コンラッド不連続面」の意味・わかりやすい解説

コンラッド不連続面 (コンラッドふれんぞくめん)
Conrad discontinuity

大陸地殻内部の深さ10~20km付近にある境界面で,1920年代にコンラッドV.Conradによって見いだされた。この不連続面を境にして地殻上層は6.0km/s,下層は6.6km/s前後の地震波速度をもつことが多く,それぞれ花コウ岩質層玄武岩質層と呼ばれることがある。最近の研究によれば,こうした明瞭な不連続面が地殻内部に見いだされない地域も多いとされている。
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百科事典マイペディア 「コンラッド不連続面」の意味・わかりやすい解説

コンラッド不連続面【コンラッドふれんぞくめん】

地殻のうち密度の小さい堆積物を除いた部分をさらに花コウ岩質層玄武岩質層とに分ける境界面。地震波の観測によって確認でき,一般に20km程度の深さにある。大陸では深く,大洋では浅い。ただし大洋底は花コウ岩質層がないので堆積物の層の下面がこの面に相当する。

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法則の辞典 「コンラッド不連続面」の解説

コンラッド不連続面【Conrad discontinuity】

地殻における花崗岩層と玄武岩層との境に,地震波速度の不連続面がある.これをコンラッド不連続面という.浅い花崗岩層では縦波速度は5.5km/sec,深い玄武岩層では6.5km/secである.大洋地域にはこの不連続面は存在しないが,大陸地殻では15~25kmの深度にあると考えられている.数十km下にあるのはモホロヴィチッチ不連続面で,これは地殻とマントルの境界面である.

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