直角三角形の三角関数のサインを利用した角度設定、あるいは測定のための器具。 のようにブロックゲージを組み合わせてHおよびhの高さをつくることにより、与えられた角度aを設定して、工作物をその角度aに加工したり、測定の基準として用いたりする。その構造は簡単で、厚さが均一の焼入れした鋼棒に同一直径の二つのローラーが取り付けられ、そのローラーの中心を互いに結ぶ線は鋼棒の上面と正確に平行に仕上げられ、かつその距離Lは、計算を容易にするために100、200ミリメートルというように整数長にしてある。実際に用いられているサインバーの多くは、1組のブロックゲージですむような構造につくられている。
[清水伸二]
直角三角形の三角関数のサインを利用して,任意の角度の設定や測定に用いる器具。構造は図に示すように,幅一様な直定規の両端近くに,2個の等しいローラーの軸線が直定規の測定面と平行に,かつ中心距離がある一定の寸法(ふつう100mm,または200mm)になるように取り付けたものである。定盤面と直定規測定面との間の角度αを設定するためには,両ローラーの下に,
sinα=\(\frac{H-h}{L}\)
を満足する高さHおよびhの二つのブロックゲージを入れる。測定のためには被測定面と直定規測定面とが平行になるようにブロックゲージを入れて上式よりαを求めることができる。
執筆者:沢辺 雅二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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