ブロックゲージ(読み)ぶろっくげーじ(英語表記)block gauge

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロックゲージ」の意味・わかりやすい解説

ブロックゲージ
ぶろっくげーじ
block gauge
gauge block

長さの標準として用いられる端度器測定室ならびに製造現場において広く用いられる。スウェーデンのヨハンソンCarl Edvard Johansson(1864―1943)によって19世紀の末に初めて製作された。形状直方体で、六面のうちの二面が測定面として平面度平行度ともに高精度ラップ仕上げされ、その二面間の厚さが所要寸法をもっている。寸法の異なる多数のブロックゲージが一つのセットとして供給されており、これらを組み合わせて種々の長さをつくりだすことができる。103個組み、76個組み、47個組みなど、製造メーカーによって種々のセットが供給されている。また精度によってK、0、1、2級などの等級がある。

[清水伸二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブロックゲージ」の意味・わかりやすい解説

ブロックゲージ
block gauge; slip gauge; gauge blocks

長さの測定の標準となるゲージ。工場内で,測定器の検査や位置決め,精密工作などに広く用いられる。 1897年にスウェーデンの C.E.ヨハンソンによって考案された。焼入鋼を精密加工した直方体の鋼片で,厚みや長さが異なる長方形断面をもっている。端面間の距離が正しい寸法 (呼び寸法) になっているもので,呼び寸法に細かい寸法差のある各種のブロックを 10個程度から 100個程度を1組とする。標準で 103個組,ほかに 76個組,56個組などがある。各種ブロックを適宜組合せて密着 (リンギング) させると,ほぼあらゆる寸法のものをつくりだすことができる。平行度,平面度,呼び寸法について高い精度をもち,JISでは寸法精度によって4段階に分けている。付属品のホルダーやジョウを用いて,寸法の精密な検査,機器の校正検定に用いられる。

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