シェエラザード

デジタル大辞泉 「シェエラザード」の意味・読み・例文・類語

シェエラザード(Scheherazade)

アラビアンナイト」に登場し、語り手となる女性の名。
リムスキー=コルサコフの交響組曲。1888年作曲標題としたもので、4楽章よりなる。

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精選版 日本国語大辞典 「シェエラザード」の意味・読み・例文・類語

シェエラザード

  1. [ 一 ] ( [アラビア語] Shahrazad ) 「千一夜物語」の語り手の姫の名。若い娘を召しては殺害する暴逆な王に、一夜一夜面白い話をすることで王を翻意させ、ついには妃となる。
  2. [ 二 ] ( 原題 [ロシア語] Shekherazada ) [ 一 ]を標題としたリムスキー=コルサコフ作曲の交響組曲。一八八八年作。一九一〇年フォーキンによりバレエ化された。
  3. [ 三 ] ( 原題[フランス語] Schéhérazade )ラベル作曲の管弦楽伴奏付連歌曲。一九〇三年作。クリングゾルの詩に作曲し、三曲からなる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シェエラザード」の意味・わかりやすい解説

シェエラザード
Scheherazade

リムスキー=コルサコフの交響組曲。 1888年の作曲。『千一夜物語』をもとに4楽章から成る。のち,バレエに取入れられ,振付 M.フォーキン,装置 L.バクストで 1910年 S.ディアギレフバレエ・リュスによりパリで初演された。 V.ニジンスキーの官能的な舞踊表現と,バクストの色彩洪水のような絢爛たる装置によって喝采を博した。パリ・オペラ座バレエ団,ロンドンフェスティバル・バレエ団など多くのバレエ団のレパートリーになっている。

シェエラザード
Scheherazade

ラベルの歌曲集。 1903年の作曲。 T.クリングソルの詩に作曲したもので,3曲から成る。

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世界大百科事典(旧版)内のシェエラザードの言及

【ラベル】より

…音楽を好んだ父親の配慮で幼時から音楽教育を受け,1887年パリ音楽院に入学,97年にはフォーレの作曲法の級に進む。それ以前にたとえばピアノ曲《むかし風のメヌエット》(1895)を作曲したし,99年に《逝ける王女のためのパバーヌ》,1901年《水の戯れ》,02‐03年は弦楽四重奏曲,管弦楽伴奏の歌曲集《シェエラザード》を書くといったぐあいで,20代後半には早くも個性的な語法・様式を確立していた。それは根底で古典主義的な完成を理念として目ざし,したがってフランス芸術の伝統に背を向けるものでなかったが,当時とすれば際だって斬新な和声を響かせたために,ラベルは危険な前衛と目され,05年ローマ賞コンクールへの参加を拒まれるにいたる。…

【リムスキー・コルサコフ】より

…80年代には音楽出版業で知られるベリャーエフの支持を得て,ロシア音楽界を指導する立場に立った。この時期ムソルグスキーボロジンの遺稿の整理に多くの時間を費やしながらも,自らは管弦楽法に新境地を開いて,《スペイン奇想曲》(1887),《シェエラザード》(1888)などを書いた。一時,創作上の停滞期を迎えたが,チャイコフスキーの死後(1893)ふたたび異常な創作力の回復をみせて,毎年のように新作オペラを発表した。…

【ロシア国民楽派】より

…オペラの分野ではムソルグスキーの《ボリス・ゴドゥノフ》(1869)と《ホバンシチナ》(1880),A.P.ボロジンの《イーゴリ公》(1890初演),リムスキー・コルサコフの《雪娘》(1881)や《サトコ》(1896)などがあるが,大衆の場面に重要な意味を与えた点に独自な劇作法を指摘できる。 管弦楽の分野では絵画性と風俗描写などを特徴としてあげることができるが,ボロジン(二つの交響曲と交響詩《中央アジアの草原にて》(1880)など)とバラーキレフ(《三つのロシアの歌の主題による序曲》(1858),交響詩《タマーラ》(1882)と《ルーシ》(1887)など)はロシア管弦楽の確立者の一翼をになっているし,リムスキー・コルサコフ(《スペイン奇想曲》(1887),《シェエラザード》(1888)など)の色彩豊かな管弦楽法はロシア音楽の古典になった。室内楽ではわずかにボロジン(二つの弦楽四重奏曲)をあげることができるにすぎない。…

※「シェエラザード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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