シャルワール(英語表記)shalwār[ペルシア]

デジタル大辞泉 「シャルワール」の意味・読み・例文・類語

シャルワール(shalwar)

トルコからパキスタンに及ぶ地方で見られる、ゆったりしたズボン男女ともに用い、足首のところで細くなっている。

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改訂新版 世界大百科事典 「シャルワール」の意味・わかりやすい解説

シャルワール
shalwār[ペルシア]

北アフリカからトルコ,イラン,中央アジア,パキスタン,インドアフガニスタンまでイスラム文化圏で男女ともに着用するズボンをいう。胴回りが2~6mと広く,足首までをおおう長さをもつが,股下の短いのが特徴である。古代ペルシア時代からあるといわれ,預言者ムハンマドも着ていたとか,後のオスマン帝国のスルタンが女性の純潔を保つにふさわしいとしてすすめたなどの説がある。もとの形は横長の袋状で裾の両端に足首が出るだけの穴を開け,胴回りに通したひもを絞って着用した。その後,気候,風土の相違や各民族の間で形が変化し,多様なシャルワールが生まれた。股下が深く,襠(まち)がついて四角のものから三角形になり,西欧風のズボンに近づいたものもある。胴回りがゆるやかなので,床にすわったりロバに乗る時にも動きやすく機能的で,そのため何世紀もの間,兵士たちにも着用されていたという。寒い時には中に木の葉やぼろくずを詰めて暖かくした。上衣には七分丈のカミーズや,カフタンを着用する。素材は麻,木綿,薄手のウールで晴着には絹も使う。1970年代後半からパリモードにも取り上げられ,ハーレム・パンツなどとしてファッション化されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャルワール」の意味・わかりやすい解説

シャルワール
shalwar(shulwar)

インド,パキスタンの民族服で,足首は細いが腰部では幅 2mもある,きわめてゆるやかなパジャマズボンの一種。チュニック風の丈長の上衣と組合せて男女とも用いる。語源ペルシア語

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