山川 世界史小辞典 改訂新版 「シュレーゲル兄弟」の解説
シュレーゲル兄弟(シュレーゲルきょうだい)
(兄)August Wilhelm von Schlegel 1767~1845 ドイツの批評家。シェークスピアの名訳者。(弟)Friedrich von Schlegel 1772~1829 詩人,哲学者。兄弟は雑誌『アテネーウム』を創刊,ロマン派の形成に努めた。弟はその理論的指導者であった。
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(兄)August Wilhelm von Schlegel 1767~1845 ドイツの批評家。シェークスピアの名訳者。(弟)Friedrich von Schlegel 1772~1829 詩人,哲学者。兄弟は雑誌『アテネーウム』を創刊,ロマン派の形成に努めた。弟はその理論的指導者であった。
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出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…シュレーゲル兄弟(シュレーゲルAugust Wilhelm Schlegel(1767‐1845),F.シュレーゲル)によって編集・発行されたドイツ・ロマン派の文芸機関誌。全3巻6冊(1798‐1800)。…
…シラーと深い親交を結んだ94年以後は,シラーの完成期の劇作や自作を中心にドイツの演劇における古典主義を確立したが,当時流行していた感傷的な市民劇やA.vonコツェブーの喜劇なども演目に入れていた。同じころシュレーゲル兄弟(兄=アウグスト,弟=フリードリヒ)を中心とするロマン派は,感情と理性を作家の個性によって統合しようとしたが,演劇においてはシェークスピアなどの正確な紹介や運命悲劇というジャンルで成功を収めたにすぎず,演劇イリュージョンを破壊するL.ティークの劇の試みなどが,台本として考えられるようになったのはずっと後のことである。また,ロマン派の傍流であるH.vonクライストの個の深淵にふみこんだ戯曲の方が,むしろしだいに演じられるようになっていった。…
…一方,スコットランドの過去の歴史をよみがえらせ,中世騎士道精神と郷土愛を賞揚するスコットの一連の歴史小説Waverley Novelsは,歴史学と小説に中世賛美の機運を興し,過去の時代の精確な生き生きとした描写を目ざす一種のロマン主義的写実主義とも称すべき傾向を生み,ユゴーの《ノートル・ダム・ド・パリ》やメリメの《シャルル9世年代記》,あるいはミシュレの《フランス史》等に影響を与えた。 ドイツでは,1770年ころからフランスの文化支配を脱し,啓蒙主義に対抗して個人の感性と直観を重視する反体制的な文学運動シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)が展開されたが,そのほぼ20年後にシュレーゲル兄弟,ティーク,シュライエルマハーらによって提唱されたロマン主義文学理論は,この運動の主張を継承し,フランス古典主義に対抗するものとしてのロマン主義を明確に定義づけ,古代古典文学の再評価とドイツに固有の国民文学の創造を主張した。フィヒテやヘーゲルの観念論哲学と密接な関係をもったドイツ・ロマン主義文学は,自我の内的活動の探究,夢と現実あるいは生と死の境界領域の探索,イリュージョンの形成と自己破壊(アイロニー)などを主題とするきわめて観念論的かつ神秘主義的な色彩を帯び,ノバーリス,J.P.リヒター,ホフマンらの幻想的な作品を生み出した。…
…そのことは統合者としての作家の立場から生まれる〈ロマン主義的イロニー〉という技法にもあらわれている。この時代には,シュレーゲル兄弟(兄=A.W.シュレーゲル,弟=F.シュレーゲル)がシェークスピアその他の翻訳や《劇芸術,劇文学講義》(1809‐11)を著し,それによってロマン派演劇に指導的な役割を果たした。近代芸術としてのロマン的な芸術は,内的分裂から出発しており,したがって統合は無限の追究となるしかなく,結局は〈解体〉をもたらす。…
※「シュレーゲル兄弟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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