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シンボル[美術] シンボル[びじゅつ]symbols in art

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シンボル[美術]
シンボル[びじゅつ]
symbols in art

美術では抽象的な観念や思想などを何かをもって形象化した場合,この何かをシンボルと呼ぶ。特に宗教美術にあっては教義の説明のためのさまざまなシンボルが用いられ,シンボルの理解なくして宗教美術の理解は考えられない。アダムとイブのリンゴは人類の原罪と堕落を象徴し,また初期キリスト教美術にしばしばみられる魚はキリスト教を象徴し,ハトは聖霊ないし魂を象徴するが,こうした宗教的象徴のほか,たとえば同じハトが平和の象徴として用いられることもあり,何が何を象徴するかは時代,民族,慣習,思考形式そのほかさまざまな要因によって決定される。またいわゆる色彩象徴も美術にあっては重要な働きをしているが,いずれにしても宗教美術におけるシンボルが集団的了解のもとに用いられるのに対し,近代美術における象徴は芸術家個人の発想によるものが多く,その解釈も多義的,複合的になってくる。 19世紀末の象徴主義は,こうした近代的なシンボルを主要な表現手段ないし目的とする動きが集約的に現れたもの。シンボルは,特定の観念を人物像で表現したアレゴリーと似たような意味でしばしば用いられるが,厳密には両者は区別されるべきである。

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