スペインインフルエンザ(読み)すぺいんいんふるえんざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スペインインフルエンザ」の意味・わかりやすい解説

スペインインフルエンザ
すぺいんいんふるえんざ

1918年から1919年にわたってヨーロッパをはじめ世界的に流行したインフルエンザパンデミック(世界的大流行)としてはこれまでで最大のものといわれる。強い感染力のため、全世界の人口の30%にあたる6億人が感染したとされ、日本でも2300万人の感染者が出た。死者は全世界で2000万人以上に上り、発症からそれほど時間の経過しないうちに死亡する人も多く出た。日本でも38万人以上が死亡したという記録がある。インフルエンザウイルスが発見されるのはこの流行以降の1933年のことで、スペイン最初に感染を報告したことから、当初はスペインかぜとよばれていた。原因となるインフルエンザウイルスはH1N1型で、その後1970年代に大流行をみたソ連型も同型である。

[編集部 2016年7月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android