日本大百科全書(ニッポニカ) 「セリヌス」の意味・わかりやすい解説 セリヌスせりぬすSelinus 紀元前651年(あるいは前628年)、メガラの植民市メガラ・ヒブライアによって、シチリア南西海岸、現在のセリヌンテ市近郊に建設された植民市。肥沃(ひよく)な地で急速に栄え、植民市ヘラクレア・ミノアの建設も行った。現在みられる遺跡からも往時の大神殿建築のようすがうかがわれる。しかし、近隣のセゲスタ市との長年にわたる確執はアテネの介入(前415)を招き、また、ギリシア系都市としては西方の最前線に位置したため、前409年にはカルタゴの攻撃を受け、ハンニバルに略奪された。その後まもなく復興したが、第一次ポエニ戦争中の前250年、カルタゴにより破壊された。[中村 純] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セリヌス」の意味・わかりやすい解説 セリヌスSelinous; Selinus 前7世紀メガラ・ヒュブレア,メガラにより建設されたシチリア島南西岸の古代ギリシアの都市。現セリヌンテ。初期の僭主たちは親カルタゴ政策をとり,前 480年カルタゴと同盟。しかしセゲスタとの長年の対立はアテネの介入を許し (前 415) ,前 409年にはカルタゴのハンニバルに略奪された。一時再建されたが,前 250年には再びカルタゴにより破壊され荒廃した。ドーリス式の神殿跡が現存する。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by