1982年に登録され、2014年に危機遺産リストに記載されたタンザニアの世界遺産(自然遺産)。タンザニア南東部、モロゴロ州・リンディ州・ムトワラ州・ルブマ州にまたがり、ルフィジ川の両岸に位置し、登録面積約5万km2のアフリカ最大級の動物保護区。セルー動物保護区は、西に森林、東にサバンナが広がるそのほとんどが人跡未踏の地であり、ミョンボと呼ばれる乾燥林、湿地、河川、湖沼など種々の生態系を有している。絶滅危惧種のアフリカゾウやクロサイをはじめ、アフリカスイギュウ、オグロヌー、サバンナシマウマ、インパラ、カバ、キリン、アンテロープなどの草食・肉食哺乳類のほか、ワシやタカなどの猛禽類、伝染病の媒介として知られているツェツェバエ、猛毒をもつ毒蛇ブラックマンバなど多数生息し、その生物多様性を誇る。遺産名にあるゲーム(Game)は狩猟の対象となる動物(猟獣)を指す。近年見境のない密猟が横行しており、絶滅危惧種も含めた動物の数が急速に減り、種によっては90%も減少していることから危機遺産リストへの記載が決定した。◇英名はSelous Game Reserve